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本当にあったDRM怖い話

2016.6.26 | ,
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(ニセ・ダン・ケネディのプロフィール)
ニセ・ダン・ケネディは全米で多くの借金王を生み出しており、「破産者メーカー」と呼ばれている。彼のコンサルタントを受けた13人の経営者のうち、9人は破産、3人は銀行強盗で起訴、1人は行方不明になっている。

現在のコンサルティングフィーは1日20円。セールスライティングは280円+すき家の割引券(ただし50円以上の割引に限る)。のぞき魔、パンティ泥棒、痴漢にとって極めて影響力の強い人物である。

こんにちは、ニセ・ダン・ケネディです。この連載では、私が絶対成功するダイレクト・レスポンス・マーケティングの方法をお教えします。

バーテンダー世界一を決める大会「ワールドクラス」で、”ダン・ケネディ”というカクテルを作って優勝した私ですので安心してください。私自身、ほぼダン・ケネディだと言っても過言ではないでしょう。

ただし、あらかじめ断っておきますが、実践は全て自己責任でお願いします。

【セクション1 本当にあったDRM怖い話】

まだ夏には早いとはいえ、汗ばむことも多くなってきたこの季節。
一足お先に納涼と洒落こみませんか?

納涼と言えば、一番手っ取り早いのが怪談ですよね。

そこで、本日はみなさんから頂いた「本当にあったDRM怖い話」をご紹介したいと思います。

あらかじめ言っておきますが、ここから先は「自己責任」でお読みください…。
心臓の弱い方はくれぐれもご注意くださいませ…。

【セクション2 雨の日のタクシー】

去年の夏の雨の日のことです。私は個人タクシーの運転手をしているのですが、その日は売上が悪く、憂鬱な気分で走行していました。

普通、雨の日というのはタクシーにとって稼ぎ時なのですが、なぜだか客が捕まらない。私の回っているルートが悪いのか?あるいは、ホームページでも作ってこちらからもっと客に訴えかけるべきなのか?

答えのない問いに悶々としていると、墓地の手前で手を挙げて立っているビショ濡れの人影が見えました。水に濡れて前に垂れた髪の毛、どうやら女性のようです。

こんな時間にこんな場所でなぜ…?

何か不気味で嫌~な感じがしましたが、その日は売上も悪く、客を選り好みするような余裕もないため、停車して女性を乗せました。

すると乗せた途端、明らかにおかしい。どう考えても普通の女性じゃない。背中越しに全てを見透されてるような寒気を感じる。圧倒的な存在感と威圧感。嫌だなぁ~、なんか変だなぁ~…。

しかも、タクシーに乗ってきたものの、その女性は何も喋らないんです。私の後頭部にジト~っとした視線を感じる。私はなるべく平常を装うことで恐怖を振り払うべく、カラカラに渇いた口を開きました。

「ど、どちらまで行かれますか?」

しかし、やっぱり返事がない。また長い沈黙…。
嫌だなぁ~、怖いな怖いなぁ~…。

私は重い沈黙に耐えられなくなり、最近売上が少ないこと、小学生に上がった娘が最近冷たいこと、同年代の友達が部長に昇進したこと、とにかく喋り続けました。

早く、早くどこかに消えてくれ…!
そんな私の願いも虚しく、一向に微動だにせず、一言も喋らないその女性。

私が「ホームページを作ろうと思っている」という話を始めた頃でしょうか?

「いけませんッ!!!!!!!!!」

彼女は突然、女性とは思えないしわがれた声で叫んだのです!
「ひっ!」と思わず身体を丸めて防御姿勢を取ってしまう私に構わず、その女性は続けました。

「個人レベルで作るホームページがどの程度の費用対効果なのか理解していますか?あなたがやるべきは全世界に情報を発信することではありません。地域住民に訴えかけるのです。タクシーの送迎サービスの需要に目を向けるべきです。クーポン付きのDMを送りなさい。そのためにまずキャッチコピーを考えるのです。『迅速丁寧なサービス』?いえ、それでは最適なユニークセリングプロポジションとは言えません。そもそもDRMというのは…」

そうです。

私がずっと女性だと思い込んでいた乗客は、ダン・ケネディ先生だったのです…。

2

もちろんこの後、先生の教え通りに行動し、私のタクシー稼業が大成功したのは言うまでもありません。

こんなことってあるんですねぇ…

【セクション3 ケネディ様】

あれは5年前のこと。私がちょうど50歳の頃の話です。
当時、私は小さな商店街で、しがない雑貨屋を経営しておりました。

なにぶん田舎なものですので、ご多分に漏れず、シャッター商店街に片足を突っ込んでいるような過疎っぷりで、当然客足もまばらでした。

そんな状況で、することと言えば、近所の商店主を集めて昼間から麻雀。みんなには問題を改善しようとする意識などなかったのです(もちろん、私も含めですが…)

その日も麻雀をしようと集まったのですが、なぜかどこにも牌が見つからない。どこを探してもない。家内が隠したのかと疑って聞いてみても「知らない」の一点張り。

ないなら仕方ないと白けムードになり、もう解散しようかという時、不動産屋の店主がこんなことを言い出したのです。

「なあ、『ケネディ様』って知ってるか?」

突然の質問に少々面食らいながら、私は答えました。

「懐かしいな、もちろん知ってるよ。みんなで100ドル札に指を添えてると勝手に動き出すってやつだろ?『ケネディ様、ケネディ様、お越しください』って。小学生の時、放課後に友達と集まってやったよ。何にもならなかったけど」

「もう一度やってみないか?」

「え?」

「いや、物は試しでさ。どうせ時間もあるし」

こうして、私達は暇つぶしで『ケネディ様』に手を出してしまったのです。これが全ての始まりでした…。

「ケネディ様、ケネディ様、星条旗よりお越しください。…なーんて来るわけないよな」

その時です…。

「うわあぁぁぁ!!動いた!!動いてるっ!!」

「え?え?冗談だろ?!誰かがふざけて動かしてるんだろ?!」

「ワシは動かしてないぞ!!」

私達が慌てふためいてる間も、100ドル札は動き続けました。

3

「れ」「ね」「げ」「い」「ど」「み」「り」「お」「ね」「あ」「し」「す」「て」「む」

『レネゲイド・ミリオネア・システム』…。この時はこの言葉がどういう意味なのか、全くわかっていませんでした。

「うわぁぁぁ!と、止まらねえ!もう嫌だ!俺はやめるぞ!!」と、怖がりの紳士服屋が100ドル札から指を離してしまったのです…。

「あっ、バカ!!『ケネディ様』の途中で100ドル札から指を離すと…!」

そこから先は語るのも恐怖です…。

『ケネディ様』を途中でやめてしまった紳士服屋の店主は、人が変わったかのようにDRMに夢中になりました。その姿はまるで『ダン・ケネディ』そのものであった、と言います…。

もちろん、その紳士服屋は大成功して、去年には「レネゲイド・ミリオネア(非常識な億万長者)」になったそうです…。

こんなことってあるんですねぇ…。

【セクション4 本当の恐怖】

えー、ここまでお読み頂いた暇すぎるアナタは薄々勘付いているかと思うのですが、この話、全部ウソです。何も書くことがなくなってついつい怪談をでっち上げてしまいました。

この原稿を見た編集部の人はカンカンに怒っていました…。

「適当なことばっか書くな!!クビにするぞ!!」と、見たこともない剣幕でデスクを蹴りまくって怒っていました。怖すぎ。人ってあんなに怒れるんだ。

いやはや…、本当に恐ろしいのはDRMじゃなくて、人間なのかもしれませんねぇ…。

お後がよろしいようで…。
(来月以降、連載がなくなっていたら察してください)

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