From:寺本隆裕
From:寺本隆裕
あの「スカイプ」が上場。
今日はこのニュースについて、記事を書いてみようと思います。
実はこのニュースネタで記事を書こうと決めるまでに、今回はとても苦労しました。というのも、いつもならそんなに苦労せずに、ザ・レスポンスのネタを決めることができるんですが、なぜか今日はなかなか決まらない・・・。
完全な「ライターズ・ブロック」です。(ライターズ・ブロックというのは、コピーライターが紙やパソコンを前にして、何も書けずに指が止まってしまう状況のこと。ちなみに、アメリカのコピーライターの間では、そこそこ大きな問題として扱われていて、これを打破するためのノウハウなんかもあります。)
しかも、いつものように「スグ書けるだろう」と、記事の締切ギリギリまで着手していなかった僕は、若干の焦りを感じていました。何より、時間がムダにどんどん過ぎていくことが苦痛で仕方なかったのです。そんなときに横から、
「寺本さん、記事まだっすか~~」
という軽~いイヤミな声。ハヤシだ。林はWEBの作成のスタッフで、レスポンスの記事をWEB上にアップしたり、サイトのデザインなどの仕事をしているんですが、こうやってチョイチョイ督促をすることが、どうやら快感になってるらしいのです。もう4月なのに、スノボで日焼けした赤い顔でこっちを見ながら、ニヤニヤしています。
よし、こういうときは作戦Bだ。
林に反論することもできず、今日中に3000文字の記事を仕上げなければいけない僕は、作戦Bに切り替えることにしました。
作戦Bとは、ボブ・ブライというトップコピーライターのライターズ・ブロック解消法です。(ボブのBを取って、僕が勝手に作戦Bと名付けました)。それは、今書こうとしている文章とは、別のライティングプロジェクトに移動してみる、という方法です。
記事が書けないときは割り切って、別の並行したプロジェクトに一旦作業を移してみて、しばらくしてからまた戻って来る、という、誰でも思いつくようなとてもシンプルな方法です。というわけで、僕は一度別の「書く系の」仕事に移ってから、またレスポンスの記事に戻ってくることにしました。
そうやって、何とかライターズ・ブロックをクリアすることに成功したのです。というわけで、話をスカイプの上場に戻しましょう。
「スカイプ上場」
スカイプが上場するという話を知ったのは、たまたまネットサーフィンしていて見つけたニュース記事から。スカイプはオークションサイトのeBayの子会社ですが、2010年に完全に独立した上場企業になるようで、2008年の10月発表時のデータによると、スカイプ利用者は全世界で3億7,000万人、日本語アカウントの利用者は1,000万人もいるそうです。
スカイプというのは、インターネットに接続したパソコン同士でつながる、無料の電話のようなもの。チャットもできるし、ファイルの交換もできるし、カメラをつなげばTV電話みたいな使い方もできます。3人以上で同時に「会議通話」をすることもできます。たぶん、この記事を読んでくれてる人のほとんどが、実際に使った経験があるでしょう。
普通に使うには無料ですが、スカイプを通じて一般電話に電話をかける時は有料です。ですが、普通に固定電話や携帯電話からかけるよりも、だいぶ安い料金でつながるので、とても便利です。
僕もアメリカのシステムを使ってテレセミナーをやるときは、固定電話からかける代わりにスカイプから国際電話をかけます。大体1分あたり2円ちょっとなので、国際電話にしては相当安いので、重宝しています。
そして、この超安い通話料がメインの収入源だというから、(そして、それで上場までできてしまうんだから)オドロキ。
スカイプについて詳しくはここから。 ⇒ スカイプ公式ページ
インターネットでビジネスをする者にとって、
スカイプの成功から学べることは大きい
むしろ、インターネットに限らず、全てのビジネスの成功の法則かもしれません。たとえば、こんなポイントがあります。
■その1:自動的に広がる仕組み
(VIRAL!VIRAL!VIRAL!)
スカイプが利用者を集めるのに、ガンガン広告をかけてる、なんてのは見たことがありません。たまに、アドワーズなんかのPPC広告で見かけるくらいで、積極的な宣伝をしている気配はありません。
でもスカイプは、ものすごい勢いで利用者を増やして行きました。広告が出てないということは、広告費がないということです。つまり、勝手に利用者が増えていく仕組みです。
インターネット上でスカイプが取った作戦は、バイラルマーケティングです。バイラルマーケティングというのは、ウィルスのように自動で増殖していくような仕組みのこと。一人の利用者がいれば、そこから何人もの利用者に広がり、またその人から何人もの利用者に広がる、というようなものです。
バイラルで広がるためには、例えば次のような要素を満たしている必要があります。
・広げたくなる要素
勝手に広がるためには、広げたくなる要素、つまり、紹介する側とされる側、両方にとって明確なメリットがないといけません。スカイプの場合、「これインストールしたら、タダで電話できんねんで!」という、極めてシンプルで強烈なメリットがあります。
また、スカイプの品質の良さや軽さも、広げたくなる要素のうちのひとつ。インターネットの接続環境がイーモバイルでも、全然ストレスなく通話ができるので、品質の向上には力を入れてるんだな、というのがわかります。
・簡単に広げられる
このページに行ってこれをインストールして、というだけの、とてもシンプルな仕組みになっているので、簡単に広げることができます。
何より強力なのは、「相手が自分とスカイプで無料通話をするためには、相手にインストールしてもらう必要がある」ということです。
■その2:先に与える。お金は後
(GIVE!GIVE!GIVE!)
僕がスカイプにお金をチャージして、スカイプから固定電話にかけるようになったのは、ここ半年くらいのこと。つまり、それまでの何年かの間は、完全に無料通話の部分だけを使っていたのです。(というか、有料のプランについては、あまりよくわかっていませんでした。)
スカイプが最初に、「格安で国際電話をかけられるソフトです」と、セールスから入っていたら、たぶんそんなに加速的にはユーザーは増えなかったでしょう。まず無料でスカイプ同士の通話を売り込んで、それをひたすらアピールして品質を高めてきた結果、(つまり、お金を受け取るタイミングを後にずらした結果)、こんなにたくさんのユーザに広めることができたわけです。
売りたいものがあったとしても、それを売る前に、関連する無料サービスや無料の情報を与えることで、成功の可能性が高まるでしょう。
マーケティングの目的とは、セールスを不要にすることだ
確か、ピーター・ドラッカーだったと思いますが、こういうことを言っていました。マーケティングというのは、セールスの抵抗をゼロに近づける作業のことなのです。そして、このスカイプのマーケティングも、セールスを不要にしています。(でも、ただ翻訳しただけ、という雰囲気が満載の日本語サイトは変えて、ちゃんとしたセールスレターを作った方がいいと思うけど。。。)
僕は、「スカイプを使えば安く国際電話が使える」、ということを知ってから、スカイプにお金をチャージする決断をするまでの間に、別の国際電話サービスとの比較もしなかったし、スカイプの国際電話サービスそのものの質にも、まったく疑いはありませんでした。
そして何より、スカイプはすでに僕のパソコンにすでにインストールされていて、使い慣れているのです。セールスはほとんど不要です。
「スカイプで国際通話できます。安いです。」
これだけでOKなのです。
僕自身、このニュースは色んなことを考えるきっかけになりました。
・あなたのことを「広めたくなる要素」は何でしょう?
・「広めやすくする」ために何ができるでしょう?
・セールスを不要にするために、どんな工夫ができるでしょう?
よければアイディアを下にコメントしてください。とても楽しい作業ですよ!
fasdf
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