今回はセールスビデオをいち早く導入された、4人の”ビデオセールスライター”にお集まりいただきました。
4名ともセールスビデオで成果を出されていますが、なぜセールスビデオを作ろうと思ったか、キッカケや成功事例、今後の将来性などなど・・それぞれの意見を聞いてみました。
撮影時期:2015年5月
(株)shinrish 代表
マーケッターとしてクライアント向けにセールスビデオを制作。鳥取県への移住を機にまちづくりの活動も手がける。また、廃校を活用して子どもたちや地域の人たちへマーケティングやビジネスを伝える教育事業を構築中。
士業、コンサルタントの方のスキルをコンテンツ化し、顧客獲得型セミナーをプロデュース、それを動画にして見込み客を獲得。メルマガの書き方についてのセールスビデオをリリースし、DVD販売とクライアント獲得へとつなげている。
向井集客事務所代表。大阪大学法学部卒業後、セミナー会社に入社。その経験を元に独立、セミナー集客を軸にしたプロモーションを多数手がける。セールスビデオを用いて20万円のDVD を販売。
「自分自身」を商品にしているコンサル型ビジネス専門のプロデューサー。1 ~ 2 ヶ月のプロモーションで売上を上げるプロダクトローンチが得意。自身の集客ノウハウをセールスビデオで販売している。
田中 「僕がビデオに興味を持ったのは、今の世の中の流れから、普通のセールスレターよりもビデオのほうが有効に使えるんじゃないかと思ったからです。もともとプロダクトローンチという手法でビデオを使っていたんですが、“プロダクトローンチでドカンと高額”じゃなくて、セールスビデオなら低額商品が安定的に売れそうだな、と」。
向井 「僕はダイレクトさんがビデオで2万件ぐらい売ったと聞いて…」。
萩原 「今は約3万5000です」(※2015年8月末では約4万部以上)
向井 「そんなに売ってるんですか…!有料商品のリストが3万5000ですもんね。それがビデオ1本で…。それはマネしたい。そう思ってセミナーに参加したんです」。
中村 「僕はDVDとセールスレターを作って、自社メディアで500本ほど売っていたので、それをもっと広げたい――例えばPPC広告を使って継続的に新規客を集める入り口ができたらいいなと。そんなときダイレクトさんが動画の広告を出して、その数値をアフィリエイトのメールで公開していたんですよね」。
向井 「ありました、ありました」。
中村 「それを見ていたらどんどん上がってく。ちょうどレターの反応が落ちてきた時期だったので、動画に作り替えてやってみようと」。
島田 「僕は5年ぐらい前からやっていたんですよ。初めて作ったのが2010年かな」。
向井 「すごい先取りですね」。
島田 「ある海外のマーケッターのセールスビデオの教材があって、それをスワイプしてました。フロントエンド用ではなく、バックエンド用とプロモーション用ですけどね。でも『ウェブセールスコピーの法則』の話を聞いて、「面白そうだな」と。フロントエンド用に作ってみようかなと思ったのがきっかけです」。
向井 「最初はビデオでバックエンドを売っていたということ?」
島田 「バックエンドをコンテンツ風にして、関係のできている人たちに向けて販売していたんです」。
向井 「それはいいですね。普通のセールスレターだと「結局、売り込みか」と思われがちですけど、コンテンツだと嫌らしさが減る」。
島田 「逆に僕のなかでは、『ウェブセールスコピー』みたいなフロントで、数十分もの動画の広告を新規の人が見るというのが驚きでした。関係ができた人ならちゃんと視聴してれるとわかっていたんですけど」。
桑原 「実際にセールスビデオを作ってみて、皆さんどうでしたか?」
田中 「僕は名刺に「セミナー集客の秘訣があります」と載せて、名刺交換後にビデオレターを送っているんです。ちゃんと話をした人は3人に1人ぐらいの確率で買ってくれます。
リアルの交流とちょっとした挨拶だけで月10本ぐらいは売れるようになりました。フェイスブック広告やPPC広告以外にもリアルで売れる流れができたから、作ってよかったです。
セールスレターだと売り込みだと思われ見てもらえませんからね」。
中村 「それは素晴らしいですね。早速マネをしたいと思いました」。
向井 「僕は最初からバックエンドの販売にビデオを使って、20万円のDVDを販売したんです。フェイスブック広告で最初は無料のオプトインをしてもらって、ビデオを送る。「これで売れるのかな?」と思ったけど、ちゃんと売れましたね」。
田中 「そのリストに対してビデオを送ったんですか?」
向井 「そうですね。その、オプトインをしてもらった人に対してビデオを送りました。結局、売れた5本のうち3人がまったくの新規でした」。
田中 「何分のビデオですか?」
向井 「1時間弱ありました」。
田中 「1時間弱のビデオを新規の人が見て、DVDを買ってくれた」。
向井 「無料オプトだったので、広告費は1日1000 円、累計で1万2000円ぐらい。で100万円の売上だったので、これはヤバいと(笑)」。
田中 「新規の人はセールスレターを1時間も読んでくれませんよね」。
向井 「絶対に読まない。関係ができている人ではなく、新規に売れたのが、僕も一番びっくりしました」。
中村 「僕の場合、フロント商品としてDVDを作って、バックエンドはコンサルティングなんですが、動画だとコピーに興味を持っていない新規の方も教育されて入ってくるじゃないですか。あれがすごい」。
向井 「どういうお客さんが多いんですか?」
中村 「僕が作ったDVDは、士業やコンサルタントの方が、どうやったらメルマガ・ブログがうまく書けるかというものです。そういう問題に困っている人ってすごく多いんですよね。もともとセールスレターで550本販売した後、動画を作ったらプラス250本ぐらい売れて、そのうち約10%からコンサルティングの依頼が来ています。あと、これは経験則で数値化できませんが、動画からコンサルに来てくださった方のほうが、自分と価値観が合う印象」。
田中 「紹介だと価値観まではわからないですもんね。ビデオから来た人のほうが合うのかもしれない」。
向井 「セールスビデオを一発ドンと最後まで見てもらったら、「この人はこういう考えなんだ」とわかってもらえるわけですね」。
中村 「ただ、自分が若干ミスしたと思ったのは、
セールスレターで買ってくれた人が、動画でまた買ってしまった、
というのが頻発して」。
田中 「違う商品だと思ったわけか」。
中村 「それは申し訳なかったです」。
田中 「そのビデオは、相手のマインドを変化させるという内容ですか?」
中村 「ええっと、士業やコンサルの方は『何を書いたらいいかわからない』という人がすごく多いので、『いいことばかり書かなくても大丈夫ですよ』という方向へマインドを変化させる…。でも、じつは僕はセミナーでの2日間しか書いていないから、ちょっとうろ覚えで(笑)。
田中 「ビデオの原稿を2日間のセミナーで仕上げちゃって……?」
中村 「あとはデザイナーさんにお任せして」。
田中 「めちゃ早いですね。じゃあパワーポイントのはめ込みとかは?」
中村 「正直なところ使えません。デザイナーにはこちらのイメージと、ダイレクトさんのセールスビデオを参考URLとして伝えて。」
向井 「自動販売機じゃないですか。それでも広告を出せば売れる?」
中村 「広告というか、自社のメルマガのフッター部分に置いているだけです。でも特にキャンペーンをしなくても毎月15~30本は売れますね。『知ってもらう』というフロント商品としてはすごくいいと思います」。
向井 「僕は自分で作ったんですけど、別にデザイナーほどの技術がなくて
も、勉強したらできましたね。もうほとんどダイレクトさんのページをマネて、すごくシンプルで簡単なヤツ。キーノートとアイムービーがあればすごく簡単」。
桑原 「全部を作るまでにどれぐらいの時間がかかりましたか?」
向井 「動画のシナリオ作りに2~3時間、録画するのに30分~1時間半。そこからの編集が意外と時間がかかるけど、それでも実質2~3時間ですかね。そう考えると、どんなに長くても1週間ぐらいでできるんじゃないかと思います」。
田中 「レターは1週間ではなかなか作れないですよね。僕も、音声だけ自分で吹き込んで、あとは自社のアルバイトにお願いしたので、3日ぐらいででき上がりました」。
島田 「僕は、自分で音声を吹き込んだわけではないので、そのやりとりに時間がかかりましたね。顧客へのリサーチのやり取りまで含めたら、1ヶ月ぐらいはかかりましたかね」。
桑原 「クライアントさんのビデオ制作ですもんね」。
島田 「どういう切り口にするか、どういうオファーにするかというやり取りには時間を使いますね。自分のビデオなら、作業自体は本当に2、3日で終わるかもしれませんが」。
中村 「マーケットがまだ成熟していないので、質の高さを求められないのがいいですよね。自分のものなら、テスト的にリリースできるし」。
田中 「型がある程度一緒だから、量産体制もできますしね」。
向井 「ヒアリングに労力がかかるけど、聞くことは決まっているし。むしろ、お客さんに『これに答えて』と投げておいても返ってくるレベルのシンプルさが必要。あとはテンプレートにポコッとはめるだけ」。
島田 「ところで、ダイレクトさんではビートはしていないんですか?」
萩原 「『魔法のペン』はしていないですね。一部を修正したりはしていますが」。
桑原 「多分、『ビートって何じゃ?』という方が多いんじゃないかと」。
島田 「田中さん、解説を(笑)。コントロール・レターとは何ですか?」
田中 「コントロール・レターは、ひと言でいうと『一番売れているレター』のことですね。『ビート』というのは、チャレンジして王者を倒すと新しいチャンピオンが生まれるということで、それを繰り返していくとバカバカ売れるレターやビデオができ上がる。だからやっぱり僕たちもどんどんテストしていかないと。ビデオは気軽に作れるから、理想はどんどんチャレンジしたいんです」。
桑原 「理想? 現実には?」
向井 「売れちゃいますもんね」。
田中 「それなりにぽこぽこ売れると、ちょっと落ちついちゃう(笑)」。
中村 「わかります、わかります」。
向井 「いやでも、ライターとして一番怖いのは、クライアントさんのものを作って反応がないことですよ。そこが突破できるのは大きい」。
島田 「先ほど中村さんがおっしゃったように、同じ商品でもビデオにして見せ方を変えるだけで、価値を感じて買ってくれる人がいますね」。
萩原 「ウチの商品でもありますよ。毎回違うプロモーションをやったり、ビデオを変えたりするので、お客さんが違う商品だと思って問い合わせがあったりします」。
向井 「ダン・ケネディも『リストは数じゃなくて質』と言っていますけど、無料じゃなくて、有料の商品を買ってくれる人を集められるというのは、なかなかすごい」。
島田 「僕はセールスまで含めた全部が商品だと考えていて、商品よりプロモーションに興味があってお金を出すこともあるんです」。
桑原 「確かに、島田さんには「このプロモーションが面白かったから買いました」って、よく言ってもらいますもんね」。
島田 「そういう意味でもビデオはいいと思います」。
向井 「実際にセールスライターとしてやっていきたいなら、自分でお金を出して商品を買うのは必要ですよね。買う人の気持ちになれるし」。
田中 「他の人のプロモーションを見るとすごく勉強になるし、ダイレクトさんのはもうビデオに釘づけになりましたしね。寺本さんの喋り方がやけにテンション低くて、でも売れる……みたいな(笑)」。
萩原 「そこもちょっと驚きじゃありません? 動画で対面式のものはテンションが高いのが多いですよね」。
田中 「僕たちの業界はどちらかというと自分たちを出すから、対面でハイテンションの人が多いなかで、寺本さんのパターンは真逆」
萩原 「声の抑揚も特にないし」。
中村 寺本さんは『12週間』のときも『暗い』とか『テンションが低い』と言われてましたよね」。
田中 「とすると、購入に当たって重要なのは喋り方やキャラじゃなく、ストーリーや心理トリガー、避けるべきポイントの作り込みのほうなんでしょうね」。
萩原 「皆さんの目から見て、セールスビデオはこういうビジネスに合いそうだな、こういうのはあんまり向いてないなというのはありますか?」
向井 「コンテンツ化できるものなら何でも向いていると思います。僕が手伝っている飲食業でも『なぜこの食材を使うか』『なぜこういう作り方をするか』というこだわりがあって、それはコンテンツ化できる」。
田中 「僕は顔出しがなくてもいいというのがいいと思っています。コーチやコンサルの業界は顔出しが必須なんですよね。けれどそうじゃないので、これから起業したいという人でもチャレンジしやすい」。
向井 「マグネティック・マーケティングは名前も出してませんよね。ダン・ケネディの名前はあっても、『山田です』とは言っていない」。
田中 「顔出しをしないである程度の関係を作れるから、別の人のコンテンツでも売れるんですよね。使える業界は本当に幅広いと思います」。
中村 「うん。僕も全部の業界で使えると思っています。自分のスキルや実績をコンテンツ化するという発想ができれば、それを広める媒体の1つとして動画は必ず使えるはず。レターやセミナーに加えて、動画という手段が1つ増える」。
島田 「寺本さんとも話したんですが、システム会社の商品やプロモーションツールというのは、売るのに説明が要るじゃないですか。それがビデオだとやりやすいかもね、と」。
向井 「確かに、説明を読むのは面倒くさいですもんね」。
島田 「実際にどんな機能があるか、ビデオだとレクチャーしやすい。わざわざホームページにログインしてもらわなくても、ビデオで実際に使っているところを見せられるので」。
向井 「百聞は一見にしかずですね」。
田中 「株なんかの商品でもトレード画面を
貼り付けてやってますよね」。
萩原 「ウチの投資部門ではチャートの動きを入れてます」。
田中 「やっぱり幅広く使えるんだ」。
桑原 「今までセールスビデオのいい部分ばかりお話してもらいましたが、よくない部分はありますか?」
島田 「僕の場合、クライアントさんに提案するので、まずはビデオの価値をわかってもらわないといけないし、録画の際に喋ってもらったり、お客さんにヒアリングしてもらったり、オファーや切り口も一緒に考えていかなきゃいけない。そういうのができない人だとちょっとキツイかもしれません。逆にビデオの価値をきちんとプレゼンできれば、ライターやプロモーターにとっても一商品として提案できると思います」。
田中 「やっぱりレターと一緒で、ビデオもUSPやコンセプトがしっかりしていないと結局しょうもないという大前提は、結構重要かも」。
向井 「マーケティングをある程度理解している人じゃないと、正直なところ難しいかもしれない」。
桑原 「では、どういう人が学んだほうがいいというのはありますか?」
向井 「確実に言えるのはセールスライター。これは強力な武器になりますよね。やらないのがわからないとまで言っちゃっていいレベル」。
田中 「学ぶだけでは意味がないから作らないといけないけど、その点、ライターはすぐにできちゃうから」。
中村 「すぐにできるということは、すぐに元が回収できるし」。
向井 「知り合いのお子さんがいる人たちに聞くと、皆『4、5歳ぐらいの子どもでも自分でユーチューブを見ている』と言いますね」。
島田 「ウチの子供もよく見てますよ」。
向井 「10年、20年を見据えるまでもなく、これから動画の時代が確実に来るという気がします」。
※ こちらで紹介したものは、個人の実績になります。成果や成功を保証するものではありません。
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