From:リッチ・シェフレン
親友のライアン・デイスが開いた、トラフィック&コンバージョン・サミットに参加するため、サンディエゴに数日滞在してきました。本当に素晴らしいイベントでした。たぶん参加者は3,000人くらいいたと思います。これほど大規模のカンファレンスを主催したライアンには、本当に脱帽しました。今まで参加したことがないなら、あなたも次回は参加することをお勧めします。
さて、このカンファレンスで印象的だったことは「アテンション」を全体のテーマにしていたことです。それ自体は、私にとって別に新しいテーマではありません。
すでに一昔前、私は当時としては画期的な内容であった「アテンション・エイジ・ドクトリン」というレポートを書きました。そして、このレポートは莫大なダウンロード数を記録したのです。
このレポートは、私がそれまでに書いていたものとは全く異なるものでした。というのは、これより前に出した「インターネット・ビジネス・マニフェスト」というレポートは、起業家が犯しがちな間違いを解説したものでしたが、「アテンション・エイジ・ドクトリン」は、将来を予言したものという点で異色だったからです。
今回は、このレポートに書いた「注目の時代」についての私の論点をもう一度紹介し、当時から現在に至るまでに、それらがどのように変化しているかを分析してみたいと思います。また、それらが、あなたが今ビジネスにおいて達成しようとしていることに、どんな影響を与えているかも合わせてお話ししようと思います。
全ては、本当にシンプルな前提から始まりました。
当時、電子機器に包囲された私たちは皆、情報の大洪水に飲み込まれ始めていました。そしてこの情報過多は、世の中に深刻な悪影響を与えていました。つまり情報過多によって、見込み客の「注意」というものが、ビジネスにおいて何よりも価値のある資産として台頭するようになってしまったのです。
では、なぜ突如として私たちは、情報過多によって身動きがとれなくなってしまったのでしょうか。私はレポートの中で主な原因を6つ挙げました。レポートを書いた当時、これらの原因はどれも的を得たものでした。
これらの原因にどうにか対処しようと相当の努力が成されたにもかかわらず、そのほとんどは今も変わらず存在します。また、その一部は現在、新たな問題へと姿を変えています。それではこれらの原因を見直し、私たちの現状に照らして考えてみましょう。
これは現在も変わっていません。私たちに向かってやってくる情報量は、今でも指数関数的に増え続けています。2014年の半ば頃には、インターネットの利用者は30億人を超えていました。これは、私が「アテンション・エイジ・ドクトリン」を書いた当時の2倍以上です。
このネット利用者の増加は、世界中のあらゆる情報/コンテンツ商品の売り手やマーケターにとって、情報を送りつけるターゲットならいくらでもいる、という環境を生み出しました。それだけでなく、そういう過剰な情報が流れ込んでくるチャネルも拡大しているのです。私たちが毎日受け取る情報量は、今後少なくなることはないでしょう。
しかも、それだけではありません。私たちの注意持続時間が短くなっていることに加え、現在ではこの情報過多のせいで、私たちの集中力や批判的な思考力が、現実に低下してきています。
私たちの脳は、素晴らしい能力をもってはいますが、処理能力を超えると認識しながら、過剰な情報を処理するようにはできていないのです。
私は、過去に書いた多くのレポートの中で、長い時間、懸命に集中して考えることが、どれほど莫大なエネルギーを消費するかについて説明してきました。私たちの脳は生まれつき、できるだけエネルギーを節約するようにできています。実は、私たちが行っている特定のことを「習慣化」することによって、脳はエネルギーを節約しているのです。
何でもできるだけ「習慣化」することによって、それは簡単に実行できるようになります。何かを実行するときに考えることが少ないほど、それだけ多くのエネルギーを節約できます。これは、私たちが受け取った情報を処理するときも同じです。
情報を認識して、それをファイルに納めるか無視するか決めていきます。集中し続けなければならないような情報はごく稀です。
問題は、単に情報量が多過ぎるというだけではありませんでした。私たちは、望みもしない情報にも絶えず邪魔されるようになっていたのです。現在、テクノロジーの発展によって、これはある程度コントロールできるようになりました。
古くは発信者番号通知サービスのようなテクノロジーもありましたし、新しいところでは、電子メールサービスプロバイダーのフィルタリングアルゴリズムのようなテクノロジーや、できる限り自分に関連の高い検索結果を表示させるような検索エンジンなどもあります。
しかし、このような様々な取り組みにも関わらず、マーケターは相変わらず、あなたにもっと多くの情報を送り続ける方法を開発し続けているのです。現在も望まない情報が送られてくるという猛攻は続いていますが、問題はそれだけではありません。
それは、現在利用できる外部からの力では除去できない、もう1つのより深刻な問題を生み出す「習慣化」という傾向を私たちは自分の内部にもっていることです。私たちの邪魔をする無関係な情報を制限している外部からの力も、私たちの集中力を高めることはできません。
無関係な情報に邪魔されると、無理にそのときやっていることに集中するよりも、邪魔してきた情報を受け入れてしまう方がよほど簡単なことですよね。
私たちが受け取る情報の総量は山のように積み上がり、そのスピードは加速するばかりです。この傾向にはまったく変化がありません。
その昔、画像のダウンロードには5分もかかった時代がありました。もっと長くかかったこともあったかもしれません。ですが、ブロードバンドが普及し、プロセッサの処理速度が改善されたおかげで、そんなに長い時間待つこともなくなりました。
その一方で、私たちは何かを辛抱強く待つことができなくなっています。このように物事のスピードが加速した結果、私たちは「すぐに満足を得たい」と思う傾向が強くなりました。以前に比べ、すぐにイライラするようになり、物事を簡単に諦めるようになりました。すぐに立ち去る傾向が強くなりました。
私たちは「スピードが遅かった時代」に戻ることはできません。ですが、スピードが速くなったことが、私たちのためになっていないのです。
今週はここまでにしておきます。多くの情報のせいで多くの人が身動きができなくなってしまった6つの主な原因のうち、残り3つについては次回引き続きお伝えします。
ぜひ、この情報過多が現代社会に深刻な悪影響を与えていて、この状況においてビジネスで成果を出すためには、ビジネスの構築法そのものを変えていかなければ生き残れないということを、ぜひ理解してください。
大きな利益とその向こう側へ
リッチ・シェフレン
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