From:ダン・ケネディ
From:ダン・ケネディ
今回も前回に引き続き、マーケティングについてお話します。口コミを買うこと
―『素晴らしい時間をお過ごしになりたいなら、Bambiに電話をして』―
広告・マーケティング界で4~5年前から現在に至るまで注目されているのが、「口コミを買う」ことです。
ある急成長した代理店は、10代の口コミ部隊を派遣するというサービスを行っています。
口コミ部隊である子ども達にインターネットのチャットルームに入らせ、商品や映画や芸能人の口コミを広めてもらうのです。(もちろん自分達が 「サクラ」であることがばれないように)
一昔前のサクラの宣伝は外で行われていました。リキュールの会社は美女チームを雇い、賑わう時間にニューヨークの人気バーへ行かせ、新作のお酒を大声で注文し大絶賛させました。
NBCのデートライン放送局で、偽の口コミを広める代理店を経営する若い男性のインタビューと共に、この手の宣伝が暴露されました。
放送では、これは騙しのマーケティング手法であるという見解がもたれました。もしかしたらそうなのかもしれません。
しかし思うのです。
タイガーウッズがはたして本当にビュイックのミニバンに乗っていると思いますか?(編集注:タイガーウッズは米国男子ツアー、「ビュイック・オープン」で優勝を飾っています。ビュイックの広告塔でもあるようです。)
口コミの効力
『Word Of Mouth Marketing(口コミマーケティング)』(日本語翻訳版なし)の著者であるJerry Wilsonは、ずいぶん前にこう指摘しました。
「ほとんどのビジネスにおいて、望む結果を得るチャンスを操作することは難しい。しかし、営業部隊として口コミマーケッターを操縦することで、望む結果を多少なりともコントロールできるのだ。」
今、偽口コミを買うビジネスが存在しています。効力はまだそこまではっきり証明されていません。とはいえ、面白いものではあるでしょう。
少なくとも、あなたが真実を伝えることに重きを置くよりは役に立つのではないでしょうか。
さて、別のテクニックとして、「grabbers」と呼ばれる路上のビラ配りです。
例えば、アメリカのTVシリーズ「トラフィック」を宣伝するために、彼らはニューヨークの代理店(メディア・キッチン)を雇い、5万枚の本物の1ドル紙幣に、番組名やロゴ、放送日を記したステッカーを添付し、1月初旬にニューヨークとロサンジェルスのバーで配りました。
もっとお金のかからない例もあります。実業家ドナルド・トランプの番組「アプレンティス」では、ベンジャミン・フランクリンの顔をトランプの顔に差し替えた偽の100ドル紙幣を5千枚、番組開始の2日前にニューヨークの路上で配りました。
アトランタでは、小さなカクテル用の紙ナプキンの端に女性の字で『素晴らしい時間をお過ごしになりたいなら、Bambiにいつでも電話をして 000-000-0000』と書かれた偽のメモ2万5千枚が、バーやタクシーやレストラン・クラブの男性トイレに残されていました。電話をかけた人は、新しい大ストリップ劇場を宣伝する、『Bambiより』という録音されたメッセージを聞くことになりました。
次回は、全ての人が利用すべきである必要不可欠なツールについて皆さんにお話しします。
次回をお楽しみに。
ダン・ケネディ
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