From:北岡秀紀
FROM:北岡秀紀
インターネットマーケティング、ダイレクトレスポンスマーケティングを実行するにあたって重要な概念が「獲得単価」です。
一度くらい聞いたことがあるかもしれませんが、お客さん1件獲得するのにいくら使ったか?という指標です。
もし100万円を使って、100件のお客さんを獲得できれば獲得単価は1万円。
50件のお客さんを獲得できれば、2万円ということになります。
CPO(Cost Per Order)とかCPA(Cost Per Action)なんかとほぼ同じ意味と考えていただいて差し支えありません。
当然のことながら、マーケティングをする側は、獲得単価を下げようと努力します。
特に、インターネットマーケティングがことさら重宝されるのも、この獲得単価がオフラインと比べて安くあがるからに他なりません。
そして、それを下げる努力というのは、絶えず行うべきです。
しかし、そのやり方を間違えると、利益を逃してしまうことになります。
個別or全部、どちらで判断?
例えば、あなたが合格ラインと考えている獲得単価は10,000円だとしましょう。
2つの広告を試し、以下のような結果になりました。
広告A:10万円で15件獲得、獲得単価6,666円
広告B:20万円で15件獲得、獲得単価13,333円
この結果を見て、どう考えるでしょうか。
通常、広告Aは合格で今後も継続。
広告Bは不合格で今回限り、と判断します。
(話がややこしくなるので、広告表現を変えて再掲載という選択肢は便宜上ないものとします。)
しかし、よく考えてみてください。
広告Aと広告Bを足し算してみると・・・30万円で30件獲得、獲得単価10,000円という結果になります。
となると、「AとBを両方継続する」という判断も成り立つことになります。
広告Aのみ継続するのか?
両方を継続するのか?
どちらが正しいのでしょうか?
圧倒的な利益の差
後者の方が正しいと言えます。
ダイレクトレスポンスビジネスの大原則とは、「関係性」であり、繰り返し商品を購入してもらうことで利益を上げることだからです。
であれば、顧客の絶対数を増やすべきなのです。
例でお話ししましょう。
計算をシンプルにするために、商品利益を1万円、リピート率を20%にしましょう。
◆広告Aのみの場合
初回購入 :15人 × 1万円 - 広告費10万円 = 利益5万円
2回目購入:3人 × 1万円 = 3万円
3回目購入:3人 × 1万円 = 3万円
◆広告AとB両方やった場合
初回購入 :30人 × 1万円 - 広告費30万円 = 利益0円
2回目購入:6人 × 1万円 = 6万円
3回目購入:6人 × 1万円 = 6万円
いかがでしょうか?
2回目購入までに得られる全体の利益は、前者は8万円、後者は6万円となり確かに前者の方が良いです。
しかし、3回目以降に得られる利益を加算していくと、両方をやった方が利益が大きくなることがわかります。
あとは、どんどん差が広まっていく一方です。
キーワードは「全体」「長期」
上記の数字はかなり簡素化していますから、実際の現場では3回目で逆転ということはないでしょう。
しかし、顧客数が多いことで、2回目以降の利益が大きくなる。
つまり、一定以上の期間で判断した場合、その方が利益が大きいということになります。
いずれ返ってくると分かっていても、キャッシュが一旦出ていくことになりますから、もちろんキャッシュフローを気にする必要はあります。
ただ、少なくとも個別の広告の獲得単価だけを気にしていては、ビジネスのスピードが遅くなる、ということは理解できると思います。
残念ながら、ダイレクトレスポンスマーケティングのベテランであっても、個別でしか判断しない人は非常に多いです。
それは、非常にもったいないことだということはお分かりいただけたと思います。
広告媒体の選定に限らず、部分ではなく全体、短期ではなく長期的な視点が大切だということです。
ー 北岡秀紀
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