From:北岡秀紀
FROM:北岡秀紀
今回から『ザ・レスポンス』ではちょっと珍しいマネジメントをテーマにお話ししたいと思います。
というのは、
「ダイレクト出版や北岡のコンテンツを学んで売上アップしたけど、そのために人が増えて社内がハチャメチャになっている」
「仕事を任せられる人材がいない」
「もっと人がいれば、もっと儲かるのに・・・」
という声を最近やたらと聞くからです。
既に人を抱えていてマネジメントを考える必要がある方はもちろんのこと、たった一人でやっている方も今後儲かって人を雇う際のシミュレーションになるはずです。
ただ、その前にまず、お伝えしておくべきことがあります。
それは・・・私の会社では社員を雇っていないということです。
カスタマーサポートや作業をしてもらうようなアルバイトのような人はいますが、それくらいです。
そんな人間にマネジメントを語る資格はないとおっしゃるかもしれませんが、まァ、聞いてください。
私はこれまで40名くらいの部下を抱えた経験もありますし、あるベンチャー起業の立ち上げの際も私は社内マネジメントを担当していました。
その結果「人は雇わない」という今のスタイルに行き着いたのです。
また、現在でもマネジメントのコンサルティングもさせていただくこともあって、
ある通販会社でマネジメントを変えただけで(マーケティングをいじらず、人を増やさず)利益が3倍になったとか
ある飲食店で店長の改善だけで昨対で130%を達成したとか、20社以上で成果も出しています。
なので、(少なくとも年商1~5億くらいの経営者に対しては)マネジメントを語る資格はあるんじゃないか、と考えています。
一般的なマネジメントの内容とはちょっと違う考え方ですので、今までマネジメントの本を散々読んでもうまくいかなかったという方には、相当の参考になるはずです。
マネジメント理論の間違い
まずマネジメントを考える際に理解すべき事は、世の中のマネジメント理論は前提からして間違っている、ということです。
特に以下の2つは百害あって一理なしです。
今、ここで捨てるべきです。
前提1 誰でも隠れた能力がある
前提2 モチベーションはあげられる
多分、マネジメントの本を読めば、書いてあることだと思います。
しかし、よく考えれば、これらは間違っていることがわかります。
ひとつずつ解説しましょう。
前提1 誰でも隠れた能力がある
これ本当ですか?
「こいつどうしようもないな。。。」って人に今まで会ったことありませんか?
誰もが素晴らしい才能を持っている、というのは歌や物語としてはとても美しいです。
でも、現実の世界で、それはありえないです。
そして、もしそれが万が一、本当だとしましょう。
しかし、その才能は、ビジネスの世界で使えるものとは限りません。
特に業務範囲が限られた自社の中で、全員の才能に合わせた仕事を用意できるわけがない。
そう考えれば、「誰でも隠れた能力があるからそれを引き出せば・・・」なんて話は夢物語でしかないことは明らかです。
前提2 モチベーションはあげられる
これが明示されることはありませんが、マネジメント論の大前提中の大前提です。
やる気を引き出せば、社員は熱狂し働くというわけです。
・・・そんなのあり得ません。
ピーマンが嫌いな人に、いくらピーマンを好きになれ、と言ったってピーマン好きになることはありません。
無農薬のおいしいピーマンを出したり、上手に料理したピーマンを出したりして、好きになるきっかけを与えることはできます。
しかし、そのきっかけをもって、好きになるかならないかはコントロールできません。
モチベーションも同様です。
きっかけを与える以外はできないのです。
「モチベーションが上げられる」と(暗示的にでも)言うなんて、「人を変えられる」と思い込んでいる人間だけです。
そんなものは思い上がりでしかありません。
どちらを取るか?
もしかすると本当に全員に隠れた能力があり、もしかするとモチベーションは上げられるものかもしれません。
世の中には本当にスゴい方がいますから、それを可能にする方がいるかもしれません。
しかし、これらを前提に組み立てられたマネジメント理論がうまくいった例を私は見た事がありません。
本などのメディアで「全員が才能を活かせる会社」「熱狂して働く会社」みたいな特集は組まれていますが、数が少ないからこそ特集になるわけで。
また、実際、そういうベタ褒めされている組織を近くで見たらボロボロ・・・なんていう例はゴマンと見てきています。
で、あれば
・能力のある人は一握りしかいない
・モチベーションはあげられない
ということを前提にマネジメントを組み立てる方が現実的ではないでしょうか。
不快に感じられる方が多いことは理解しています。
実際、この話をして出入り禁止になった会社もあるくらいですから(笑)。
なので、受け入れる受け入れないは自由です。
私が強制するつもりはありません。
これまでのマネジメント論ではうまくいかないな・・・となんとなく感じているのであれば、一旦この前提を受け入れてください。
そして、次回からお話しする方法論を試して頂ければ、と思います。
ー 北岡秀紀
(お客様の声) 川嵜様 従業員の資質や性格は教育で何とかなるものではないので、採用の際に振り分けなければならない。私も最近そう感じていたところ、その振り分け方の具体例が書いてあり、とても参考になりました。次回採用するときは試してみるつもりです。 ↓ ダン・ケネディ書籍「世界一シビアな「社長力」養成講座」 |
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