From:ダン・ケネディ
Dan: | あなたは、一つの分野に特化したビジネスを構築されましたね。つまり、そのうちの3つは、基本的にお互い似ているということです。プロアクティブ事業をはじめとする3つのスキンケア事業。あなた方おふたりが所有している最も成功した3事業です。共通する点は何でしょう?なぜこれらの事業は成功しているのでしょう?なぜ人気が衰えないのでしょう?そして、規模、顧客数、リピート要素などに関して、それぞれの事業ではどのような感じなのでしょう? |
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Greg: | 最近、ある商品を発売しましたが、初期の兆候から見ると、おそらく、今まで発売した中で最も成功するでしょう。しかし、つねに、そして今も時間を掛けて評価しなければならないことが2つあります。今までの経験から学んだことですが、まず、利益を推測しなければなりません。つまり、辛抱強く利益を見積もるのです。2週間のグラフを見るのではありません。この最初の発送に対する利益が一体いくらなのかを計るため、1日の終わりの時点で確認するのです。そして次に、再注文されるもの、または繰り返し利益を生むのは何であるか、その傾向を把握することです。これらの結果をわかっていれば、ビジネスを成長させるために投資できる金額に対して、劇的な影響があらわれるのです。私が思うに、成功したスキンケア事業に共通していることは、それぞれ信頼できる女性、つまりアメリカが信頼するハリウッド女優や代弁者によって指揮されていることです。人々は毎日あるいは毎週、繰り返し何年も彼女たちをテレビで見ています。それに彼女たちは、いずれの場合も心から商品開発や商品発表会に参加し、その商品の進化を長期にわたって見ているのです。彼女たちは商品の推奨人として雇われているのではありません。どの場合も、最低1年は彼女たち自身が商品開発に携わり、実際にネーミングやパッケージなどその商品の最終的結果を見たいと言ってくれました。そうして実質的にパートナーになってくれたのです。彼女たちはアメリカで絶大な信頼を得ています。ですから、もしすばらしい商品を兼ね備えているなら……。もう一度言っておきますが、これらの場合、我々が最初に彼女たちに紹介したときは、その商品はすばらしいものではなかったかも知れません。しかし、彼女たちはパートナーになり、すばらしい商品になるように手助けをしてくれたのです。もし、あなたがマーケティングしようとしている部門で、すばらしい商品と、驚くほどに信頼を置けて安心できるような、誰もが知っている有名人を兼ね備えているなら、私たちにとって、それはユニークでほぼ独自の公式なのです。 |
Dan: | スキンケア事業の一つであり、ハリウッド女優、ヴィクトリア・プリンシパルが開発に参画したヴィクトリア・プリンシパル事業は最も古いですね。商品はどのくらいありますか? |
Greg: | 50種類を超える様々な商品があります。ヴィクトリア・プリンシパルの番組で、ユニークなことをひとつお話しましょう。彼女と一緒に作った番組がいくつかありました。制作するのに5千万円以上かかりました。ところが、現在放送している番組は、最も長期にわたるもので、最も成功しているものです。しかも、制作費は一番少ないのです。この番組は、絶えず、毎週毎週、4年以上放送されています。これがコントロール(繰り返し使う、最も反応の高いもの)なのです。この番組に優るものはありません。毎週毎週放映され、機能しています。実際、番組の中のオファーに手を加え、インバウンドでもオファーを少し変え、常に洗練するようにしています。しかし、その独創的な内容は、いまだに超えることができません。さて、この番組をいくつかのフォーカス・グループと社内で見てもらいました。その調査の結果、この番組が非常に上手くいった理由は、ヴィクトリア・プリンシパルが真実を語っているからだということがわかりました。番組のホストは、彼女に効果的で意味のある質問を投げかけます。そしてヴィクトリアの答えは、不自然ではないのです。彼女はできるだけ正直に答えてくれます。番組はまるで正真正銘のトークショーのような効果があります。そしてどういう訳か、番組を変えよう、もっと良くしようとして採用したセールス文句でさえ、効果がないのです。 |
Dan: | コストのお話は驚くことではありません。私としては、こういったことにお金をかけすぎると思うことがよくあります。確かに、そういった番組の進め方をするには本物のタレントが必要なのです。フォーマットだけ真似して、ストーリーを語るのに、彼女よりも上手くない誰かを起用していたら、恐らく駄目だったでしょう。
似されることについて しかし、真似されるということが考えられますね。あなたのメディアだけでなく、すべてのメディア、そしてほとんどのビジネスにおいてもコピーはかなり多く、ライバルがコピーする速さは、加速しているように思われます。私のクライアントの数社にとって、両刃の剣であるインターネットは、事業を始めるための障害を低くしてくれる一方、真似されることも容易にしてしまうのです。真似される事について、ガシーレンカー社ではどのようなお考えですか? |
Greg: | 我々はコピーされ続けていますし、我々もコピーしたことがあります。将来、我々が他の真似をする可能性は低いでしょうね。それに、今後我々の真似をするのは非常に難しいと思います。なぜかというと、我が社の商品を作るにあたり、かなりの時間と労力を費やし、さらにリサーチを行いました。強敵過ぎて打ち負かせないのは明らかでしょう。薬品をコピーしようとしているようなものです。それが現実です。リサーチと開発に、精鋭たちのエネルギーや努力を長い時間をかけて注ぎ込んだのですから、他の誰かがコピーに成功して「やったぞ!」と言うのは、かなり難しいでしょう。少なくとも短期間では無理ですね。他人の真似をして学んだことがあります。場合によってはかなり有効だったのですが、競争が激しく、問題が生じやすいため、それに起因する人間関係のトラブルなどを考えると、あまりいいことはないということです。ポケットに少しだけ余分なお金が入るとしても、つりあいません。実際、結局は焦点が狂ってしまうだけなのです。そして、あなたが成功したと思っているときでさえ、恐らくそうではないのです。なぜなら、訴訟か挫折の可能性だってありますし、あなたができたのだから他人にだってできるということに気付くはずです。もし他人がやる場合、あなたより少ない金額でやるでしょう。つまり、消費者への価格を下げるのです。そして、ある日目覚めると、倉庫は在庫品の山、デスクには訴訟の書類、会社の名前には傷が付き、あなたは言うでしょう。「一体何が起こってしまったんだ?」と。ですから、我が社の目標は、むしろ製薬会社のようになることです。もしくは日用品メーカーのP&Gのようになり、時間と知力を十分に使ってこう言いたいのです。「ただ難しすぎて誰も手を出せない、誰も手を出したくないと思うような商品を、どうやったら作れるのでしょう?」と。 |
Dan: | 御社はスキンケア業界で成功していると言わざるをえないでしょうね。現在放送中のすべての番組を見ても、御社のフォーマットを真似しようとしたり、お二人がお持ちのような有名人との関係を築いたり、その他諸々にお金を使う企業はほとんどありませんからね。では、フィットネスの分野について話しましょうか。一時、かなりの数のフィットネス番組を作られましたね。おやめになった主な原因は器具がコピーされやすいからですか? |
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Greg: | そうです。まず初めに、フィットネス事業をまたやれれば嬉しいと思っています。ダンとも前に話したことですが、フィットネス事業は繰り返し利益をもたらしてくれるものですから。なぜかと言うと、普通、フィットネス関連のお客様は、ビタミン類も購入します。ビタミンとその他の商品に関して、実に長期的な価値を生み出してくれるのです。フィットネス事業での課題は、いろいろあります。ひとつには、お客様にぴったりの価格ですばらしい商品を見つけるのは難しいことです。ずっと探していますけどね。世界中を探しましたが、お客様のお金に見合う画期的な商品を見つけるのは、本当に難しいのです。もし見つからなければ、消費者をがっかりさせるだけです。もし見つけられれば、高収益が得られますし、普通は驚いてくれるはずです。ふたつ目の課題ですが……。みなさんお馴染みの、あるフィットネスの会社は、低価格の商品とかなり高額の商品の両方で、長年にわたってよくやっています。なぜなら、彼らはフィットネス事業に集中し続けているからです。このビジネスをやる上でのさらなる問題は、お客様がボルトや商品の一部や小さなかけらをなくしたときに起こります。私たちの問題になるのです。我が社が取り扱っているスキンケアシステムやビタミンプログラム、オーディオ・テープなどで不満を持つのとは、大きく違うのです。今私が述べました分野の中には、器具が原因でカスタマー・サービスに電話がかかることは全くありません。しかし、フィットネスでは、「ケガしたんですけど」とか、「この小さなボルトが必要なんですが、すぐに送ってくれますか?」などという電話が何千本も延々とかかります。そして、成功すればするほど、電話の件数も増えていくのです。 |
Dan: | あなたのおっしゃったことに基づいてコメントするなら、いつもみなさんに理解して欲しいと思うことがあります。ガシーレンカー社は企業として十分成長しているように思われるので、よくお分かりだと思いますが、チャンスはたくさんあるということです。お金を稼ぐ方法はたくさんあります。しかし、手に入るはずのお金に対し、多額の投資負担と悪化がもたらされ、実行の価値がなくなってしまうこともあるのです。企業家が苦労するのは、それを理解するときだと思います。 |
次回「マーケティング最大の間違い」「アウトソーシングの考え方」へ続く…
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